リコちゃんとピンくんと双極性障害

双極性障害の夫婦のお話

カウンセリングの予約

あらすじ

リコちゃんが定期通院している心療内科へ、2人で行ってきました。

そこで、カウンセリングを受けることになる。と言うお話です

 

 

 

 

ピンくんはこの日決めていたことがあり

先生とのお話の際に、カウンセリングの話題を出す。と言うことでした。

ピンくんはリコちゃんのサポートに限界を感じていたので

何か今以上の治療をしないといけないような気がしていました。

 

リコちゃんは、ここまで投薬のみの治療を行っていました。

 

正確には、ピンくんと結婚する前に通っていた心療内科ではカウンセリングを受けたことがあるのですが

その際に金銭面、実感面から必要ないと判断して

3回ほど受けたところで辞めてしまっていました。

 

躁状態の時のリコちゃんはかなり自信過剰となります。

心療内科へ通える日は躁状態の範囲にあるので

その際の思考だと、カウンセリングは必要ないと考えてしまうようです。

 

しかし

ここまでリコちゃんは症状が悪化し続けていて

ピンくんはピンくんで自分の至らなさを感じていました。

ピンくんからの無意識の心無い発言から、リコちゃんが鬱状態となり寝込んでしまうようなことも稀にありました。

そもそも双極性障害に対しての意識が足りていないような、そんな気もしていました。

しかしピンくんにも体力的、時間的、精神的な限界があります、、、

 

グチャグチャ色々と考えつつも

結局のところ、ピンくんは責任転嫁をしたかったのです。

 

ピンくんの対応が不十分なのではなく、治療が足りていなかったからだと思いたかったのです。

先生に話したら楽になるのではないかと、カウンセリングの話題を出しました。

 

カウンセリングは自由診療となり、1回45分6000円で行っているとのことでした。

自立支援医療制度を受けていて、普段一割負担で治療を行っている僕らには

なかなかの金額ステップアップです。

自立支援医療(精神通院医療)ってどんな制度?自己負担額や具体的な申請方法、更新についてまとめて解説します | LITALICO仕事ナビ

 

金額を聞いたところで

リコちゃんは、私には必要ない、と言いました。

 

この返答を、ピンくんは多少なりとも予想してました

リコちゃんは自己評価が高く、特に躁状態で顕著になります。

優秀な私には必要ない、という考えになっているように見えました。

 

確かに認知行動療法などを聞きかじると

治療内容は決してものすごい奇跡を起こすようなものではないと言う印象なのは

ピンくんにもわかるところがあります。

 

しかし、夫婦で何かを話し問題解決する事への限界を感じていた気持ちが

カウンセリングを受けることを後押ししました。

自由診療を行うというよりかは

夫婦が何か会話を行うときに、ある程度真剣に反応してくれる三者視点をつける

という意味でも役に立つはずだと思い、カウンセリングをお願いしました。

 

夫婦でケンカになった時に

「じゃあ他の人に聞いてみてよ!?」

となることは、色々な夫婦が、お互いに思うことは多いのではないかと

ピンくんは常々思っています。

 

ただし、リコちゃんはカウンセリングに対してまだ懐疑的だったので

ピンくんだけがカウンセリングを受けることになりました。

 

病気の当事者であるリコちゃん自身が受けないことに多少もやつきつつも

ピンくんは話をできる場ができたことが嬉しいと感じました。

病気の知識を持ちながら、自分たち夫婦に目を向けてくれる人との話しの場に

少し期待していました。

 

ピンくんは、困ったことを話せる人というのが、ここまでいませんでした。

 

偏見もあるかもしれませんが

男性はどうも自己解決思考に陥りがちで

他人に話さない文化が強いと日頃から感じていました。

正しき男性像という呪縛もありますし

幼少期の経験や社会人になってから、他人に話して実際に何か解決したことがないから

どんどん自己解決の方が楽で正しいという思考になっているような

 

自分の中に解決力を持ち、確かな答えだと信じ、ブレない

というのは、どんどん自分を成長させたりなどのメリットも大きい思考かと思いますが

しかしこれに陥ることで相手を受け入れられなくなり

特に夫婦関係で大きなデメリットとなってしまう様子が

様々なメディアで取り上げられているように感じていました。

 

そういう自分を払拭したいという考えも、ピンくんの中にありました。

 

ピンくんはカウンセリングの予約をして、この日は帰宅しました。

 

 

帰り道、リコちゃんに

「あなたは自己評価が低いのに加えてプライドが高いところがあるから

カウンセラーさんに言うといい」

となんだか以前みたドラマで聞いたことがあるような批評を受けました。

 

えぇ、、、自分は受けないのに、、凄いなと

ピンくんは思いました。