リコちゃんとピンくんと双極性障害

双極性障害の夫婦のお話

カウンセリング 2回目 その4

あらすじ

前回の続きです。

↓前回

 

 

 

 

カウンセリングをしていくことで

この先どこに向かうのかについてのお話です。

 

 

 

オノダさん

そういえば、カウンセリングを受け始めてみて

奥様は何かおっしゃっていましたか?

 

ピンくん

少し興味はあるようでした。

しかし、まだ治すために自分が行こうとか

そういう意識は持てていなさそうでした。

 

オノダさん

そうですか。

予想はしていましたので、焦らずいきましょう。

前回の繰り返しになりますが

ピンくんさんに良い影響が出ていくところを見せて

興味を引く作戦が良さそうですね。

 

ピンくん

はい、その方針で僕も異論ありません。

しかし、今後のカウンセリングについて

1つ質問があります。

 

オノダさん

はい、なんでも聞いてください

 

ピンくん

妻がもし参加するようなことになった場合

まずは1人ずつですよね?

そうしてそれぞれすり合わせを続けた先に

2人で受けるような、夫婦カウンセリングというのは

こちらでも対応されていますか?

 

オノダさん

まずは1人ずつ、じっくり聞いてになりますね。

また、夫婦カウンセリングも対応していますよ

 

ピンくん

良かったです。

というのも、自分が今の生活の中で持つ不満が

妻の病気の面に対してなのか

それとも元々の性格や考え方についてなのか

良くわからなくなることが多いんです。

なので、この先に夫婦としての問題解決の場があるのかなと

そこをスッキリさせておければと思いました。

 

オノダさん

そうですね。。。

そこの切り分けは難しいですね。

奥様自身でもきっとわからないし

私から見ても、基準をどう持つのかは難しいですね。

 

ピンくん

やはり難しいのですか。

 

オノダさん

ある意味、病気も含めて奥様なので

 

ピンくん

自分も、結局自分の視点で見えている部分しかないし

家庭内にある問題について

妻の意見も聞きたいのですよね。

 

オノダさん

いつか、意見を言い合えるといいですよね。

しかし、焦りすぎないでくださいね。

今は、奥様は病気のせいにすることによって救われています。

なので、そんな奥様から語られる家庭内の問題も

そういった認知の歪みを帯びていると思います。

その段階でのカウンセリングは

あまり良い結果に繋がるとは思えませんので、、

 

ピンくん

焦りすぎないようにしますね。

しかし、僕も悪いところがたくさんあるはずなのです。

このまま1人でカウンセリングを受け続けることで

むしろ自分が悪くなさ過ぎるように思えてくるのではないかと

 

オノダさん

そうなると、お伝えしたいこととしては

夫婦はお互い様という前提です。

これは、病気があるとか関係なくです。

そして、今そのバランスが崩れている一因は

ピンくんさんにもあったかもしれないですね。

 

ピンくん

うーん。ちょっとバランスと言われると思い当たることが、、

変な話ですが聞いてくださいね

僕が昔読んだ本に、妻のトリセツというものがあるのですが

結構それを参考にしていたところがありまして

 

オノダさん

昔流行りましたよね。。。

 

 

 

次回へ続きます。

カウンセリング 2回目 その3

あらすじ

前回の続きです。

↓前回

pinkun.hatenablog.com

 

 

 

鬱状態の潰し方について

カウンセラーさんが見解を述べます。

 

 

 

オノダさん

双極性障害の方によく言うのですが

躁状態を潰しましょう。

 

ピンくん

あれ、鬱状態が問題ということでは?

 

オノダさん

はい、鬱状態の方が問題ですが

比較的コントロールしやすいのは躁状態の時です。

鬱状態の時は、もうこれ以上落ちたくないと思っても

自分でコントロールできません。

何か変えることができるのは、躁状態の時になります。

 

ピンくん

双極性障害躁状態の時って

自分に鬱状態のことがあるのを忘れちゃっているのかなってくらい

元気な時がありますよね。

そこで、何かをするといいということでしょうか?

 

オノダさん

そうですね。振り幅が厄介なところですよね。

何かをするのではなく、何もしないことです

しかし、躁状態をセーブしましょう。

 

ピンくん

躁状態の万能感に

身を任せないようにするべきなのですね。

 

オノダさん

躁状態の時はいくらでも元気に行動できるような感覚があり

今までの鬱状態を取り返したい気分もあります。

そのため極端な行動も増えてしまいます。

しかし、そこで意識してしっかり行動をセーブします。

すると、次の鬱状態での落ち幅が減る傾向になります。

躁と鬱は振り子のようなもので

片方の振り幅が大きければもう一方に影響が出るという関係になります。

 

ピンくん

鬱の幅が減り、すると次の躁の幅も減り。。。

と、だんだん振り子の振り幅を少なくしていくのですね。

 

オノダさん

徐々にですが、振り幅がなくなっていくはずです。

まあ、これは奥様が自身で理解できないとどうしようもないし

下手に伝えると怒らせるだけだと思うので

一旦はまず、ピンくんさんの知識としてもらう

というところが大きいのかと思います。

 

ピンくん

正直、現在の状態はというと

躁の時にやりすぎているところがありましたね。

そのせいで、鬱状態の幅も大きく

治らない状態になってしまったような気がします。

 

オノダさん

何かやりたくなっても

「今日はここまでにしておこう」

と考えることが重要ですね。

気持ち的にも、躁状態でやり溜めておけるなら

鬱状態があってもいいような心持ちになりがちですし

 

ピンくん

うーん。理論はわかりました。

しかし、妻は躁状態だと全く寝れなくなってしまうのですよね。

寝れないので、急に料理を作り溜めたりします。

躁状態に何かやり過ぎることをやめたくても

そもそも眠れない、というのはどうするといいのでしょう?

 

オノダさん

全然眠れないのですか?結構極端ですね、、、

ちなみに、何時間くらいになるのでしょうか?

 

ピンくん

2、3時間になりますね

 

オノダさん

そんなにですか!

それは、相当鬱の落ち込みが激しそうですね

 

ピンくん

眠れなくても、ベッドにいるようにしたことはありますが

それで不安が増してパニック発作が、、というようなこともあって

 

オノダさん

どうにかして規則正しさを持ちたいですね。

振り子の幅がどんどん狂っていきますので、、

部屋を暗くするとか、スマホなどを見ないとか

今、やり過ぎているなとか、明日でもいいよとか

ピンくんさんからは声掛けするくらいですかね

 

ピンくん

「眠れるものなら寝たい」

「暇すぎて、何かしてないと不安になる」

と言われてしまうのですよね

 

オノダさん

申し訳ありませんが

そこがピンくんさんから現状働きかけられることの限界になります。

躁状態でも、本人がどれくらい自覚があるか

だいぶ程度があり気づいていたり気づいてなかったりですね。

少し言い返されてしまうかもしれませんが

何か他者の意見を伝えてあげるのは結構重要です。

自分はいつ躁状態なのかなと、自覚できる材料になります。

 

ピンくん

頑張って、少し伝えてみるのを習慣づけてみます。

 

 

次回へ続きます。

カウンセリング 2回目 その2

あらすじ

前回の続きです。

↓前回

pinkun.hatenablog.com

 

 

 

 

リコちゃんの鬱やパニック発作といった面に対して

ピンくんとカウンセラーさんは分析をしていきます。

 

 

 

ピンくん

妻は、睡眠のペースが乱れすぎてしまっていて

決まった時間の前後にベッドに入っても

ずっと目が冴えてしまうようです。

さらにそれもストレスで

ますます寝られなくなっていくというか

 

オノダさん

そちらも奥様の課題だと割り切りたい部分ですね。

寝る時のお部屋は別ですか?

 

ピンくん

別にしていますね。

 

オノダさん

それは良かったです。流石に、深夜すぎるので

同じ部屋でパニック発作に付き合うのは避けたいですね

 

ピンくん

ただ、次の日がテレワークの場合

出勤時間に余裕ができることもあるので

奥さんの部屋にマットレスを移動して寝たりします。

少し安心してパニック発作が出にくくなるようです。

 

オノダさん

それくらいが十分な対応だと思います。

できる範囲のことをやれているかなと

しかし、それでも完全にパニックは防げないですよね?

 

ピンくん

はい、その辺りは対処できないのですが

ずっとどうにかしたいと思っていました。

そして最は、ふとした事から改善の傾向になってきました。

 

オノダさん

何か改善できましたか!

 

ピンくん

はい、前回のカウンセリングで

どうしても伝えるべきところは伝えていくしかない

という方針を立てていたので、それに従いました。

やはり第一は睡眠と考え

多少のパニック発作は耳栓で無視することにしました。

本人には伝えておりませんが、無言のメッセージというか、、、

 

オノダさん

はい、それでいいと思います!

直接、ストレートに伝える必要はありません。

そのように少しずつ、課題を分離していければ良いと思います。

また、睡眠に注目したのはかなり良いですね。

睡眠時間の不足は、食事を摂らないなどよりイライラしますから

無理かどうかの範囲を決めるときに

まず睡眠が確保できるかどうかというのは重要です。

 

ピンくん

夜にパニック発作が起きたことについては

後で妻から話をされます。

しかし、対処しなかったことを責める感じはないので

まあ、いいのかなと思って流しています。

 

オノダさん

良かったですね!

しっかり睡眠をとったピンくんさんがいる

という状態の方がいいと思いますよ。

 

ピンくん

はい、睡眠は妻が自分で頑張る癖をつけてもらおうと思います。

 

オノダさん

前回、奥様が「何かのせいで」ということが多い話がありましたね

今回のように、奥様が自分の睡眠は自分の責任で対処するべきだ

と考えられるようになれば

「何かのせいで」と考えることも減り、だんだん安定してくると思います。

 

ピンくん

少しずつですが、責任を手放していきたいですね。

 

オノダさん

「自分の病気は自分で治せない」

という考え方から

「自分の病気を治せるのは自分だけ」

という考えへと変わっていけるはずです。

 

ピンくん

課題の持ち方については、だんだん分かってきました。

しかし、それについて思うところがあるので

それも聞いていただけますか。

夫婦関係の歪さの根がここまで深くなってしまった原因と言いますか

 

オノダさん

はい、そちらも教えてください

 

ピンくん

僕がこれまで行ってきた対応で

良くなかったと思うところがあります。

妻は一番大切な人だから特別扱いしようとか

そんな人に嫌われたら嫌だな

というスタンスで接していたことがあり

それが今の状態につながると思います

 

オノダさん

なるほど、少し優しくしすぎたというか

甘えさせていたのですね。

少し、鬼になりましょうか

 

ピンくん

鬼ですか!

 

オノダさん

はい、心を鬼にしましょう。

ある意味

甘やかして喜んでもらい

怒らずに相手の言う通りにする

というのは、他人に対する楽な対処法なのです。

 

ピンくん

はい、ここまで、僕の対応というのが

その場その場を切り抜けるためだけの

姑息な手段になってしまっていたなと思いますね。

 

オノダさん

それですと、奥様が治る方向にはいかないはずです。

治らないならまだしも

いつの間にか、さらにピンくんさんの責任にさせられますね。

 

ピンくん

長い目で見ると、そうですよね

 

オノダさん

今回のケースのように

手放してみたら、思っていたより怒らないとか

そういうものから見つけていたらいいですね。

思ったより多く見つかると思いますよ。

 

ピンくん

先は長そうですが、頑張ってみます。

 

オノダさん

イメージですが

パートナーがいない、双極性障害の方がいるとします

そういう方は、まず鬱状態を自力で潰さなければいけないですよね。

仕事に行かないといけないですから

 

ピンくん

そうですね

 

オノダさん

対して、今の奥様はお仕事をされていませんよね。

あ、お仕事をしないとだめという話ではないですよ。

しかし、その点でどうしても

自分は病気を治さなくても良い

と思ってしまっている部分はあると思います。

 

ピンくん

確かにですね。

 

オノダさん

双極性問題は、確かに躁と鬱でどちらも問題ですが

ある意味躁状態の時は自分の面倒は見れますよね。

奥様の場合、鬱の時の方が問題のように見えます。

人に寄ってとか、個人による程度もありますけどね。

鬱を潰すというのに目を向けると、今の状態はいかがでしょうか?

 

ピンくん

やはり、特に何もできていない気がします。

 

オノダさん

確かに辛いことですし、なかなかコントロールしにくい部分ですが

うつ状態の潰し方というのはあります。

 

ピンくん

そうなのですね、教えていただきたいです。

 

 

次回へ続きます。

 

カウンセリング 2回目 その1

あらすじ

カウンセリングの2回目が始まりました。

↓1回目はこちらから

pinkun.hatenablog.com

 

 

 

ピンくん

今回は、奥さんが鬱状態でしたので

その面をお話しできればと思います。

 

オノダさん

双極性障害でしたよね。

では、以前のカウンセリングから今日に至るまでは

鬱エピソードになっていたのですか?

 

ピンくん

はい、鬱の割合が多かったです。

前回は、妻からの強目の発言があった時

言い返すなどでケンカに発展してしまうか

ケンカを我慢して溜め込んでしまう

というお話をさせていただいていましたよね。

 

オノダさん

奥さんから、気になる発言がいくつかありましたね。

 

ピンくん

鬱の場合では、そういったぶつかり合いは少なくなりますね

 

オノダさん

鬱の時の方が、ピンくんさんは安定して過ごせるのですか?

 

ピンくん

まだ安定とは程遠いですが、精神面では少し楽になります。

しかし、肉体面の辛さは増しますね。

家事を全般したりなどあるので

 

オノダさん

家事ができないほど調子が下がってしまうのですね

 

ピンくん

はい、そして、面倒臭い感じになります。

 

オノダさん

というと?

 

ピンくん

「用事がないけどきてほしい」から始まり

寝ながら「お水が欲しい」「手を握って欲しい」とか

「トイレに連れて行ってほしい」「お水をとってきて」

「薬を飲むから見ていて」などの要求が増えます。

 

オノダさん

前回、かなり気の強い奥様という印象でしたが

全体的にそこまで気弱になるのですね。

 

ピンくん

お風呂に入る時も、様子を見つつになりますね

 

オノダさん

お風呂も入れないのですか?

だいぶ落ちてしまうのですね

 

ピンくん

入ってしまえば自分で洗えないとかではないですが

僕が一緒に入って話をしながらにするなど

なるべく、楽しい時間だよ、という感じを出しています。

 

オノダさん

大変ですね。。。

入れない場合は無理して入らなくても良いですよ。

 

ピンくん

しかし、入れないと

「体が気持ち悪い〜」「でも入れない〜」

「お風呂怖い〜」となってしまうので、、、

なるべく入れそうな時に励ますことにしています。

 

オノダさん

お子様モードになってしまうのですね

 

ピンくん

かなり面倒ですが、体力でどうにかカバーできている状態ですね。

 

オノダさん

奥様が半人前になってしまい

ピンくんさんが1.5人前くらい頑張ってしまっていますね。

 

ピンくん

また、鬱状態の方が

パニック発作が起きることが多くなります。

 

オノダさん

パニック発作は、どういった時に出やすいなどありますか?

 

ピンくん

夜ベッドに横になっている時に

寝たいのに寝れないことからパニックになることが多いですね。

 

オノダさん

その際は、どういった対処をされるのでしょうか

 

ピンくん

まず、妻の方がどういった状態になるかというところですが

パニック発作が起きる前の状態?というか

なんだか自分が不安な状態であることに気がつくようです。

その場合は、毎日決まって飲む薬の他に、追加で用意してある薬を飲みます。

そうしつつ、好きなドラマを見たりなど

気を紛らわせられそうなことをします。

それでも落ち着かない場合、何か食べたくなってしまうようで

ものすごい過食をしてしまうようです。

 

オノダさん

奥さんなりに緊張を解こうと頑張っているのですね。

 

ピンくん

しかし、気合いで耐えられるものではないので

パニックになってしまうことが多いです。

 

オノダさん

そうですよね、、

パニック発作の様子はどうなのでしょうか

 

ピンくん

過呼吸や、体の痛みや、内臓が正常に動いていない感じ?

食道が逆流しようとするとか

とにかく不安なことが頭の中に浮かんできて

死にたい気持ちになったりするようです。

 

オノダさん

それは辛いですね。。。

奥様はベッドに横になっている状態ですよね?

 

ピンくん

はい、ベッドの上でどうにか耐えてます。

しかし、我慢できるものではないので

「助けて!助けて!」と声に出します。

 

オノダさん

ピンくんさんはどうされているのでしょうか?

 

ピンくん

起きてしまったら、妻の対応を行います。

飲み物を飲ませたり、マッサージをしたりします。

すると落ち着いて眠ってくれたりします。

 

オノダさん

「起きてしまう」ということは

ピンくんさんは先に寝ているのですね?

奥様がパニックを起こされるのは何時ごろの話になりますか

 

ピンくん

2時から4時くらいですね

 

オノダさん

え、午前ですか?

 

ピンくん

はい、そうです。

 

オノダさん

なるほど、かなり深夜に対処の必要が出てしまうのですね

お仕事に響いてしまいますね。

普段何時ごろに眠るのですか?

 

ピンくん

決まっていなくて

妻は、決まった時に寝れないみたいなのです。

 

オノダさん

そうなのですね。。。

睡眠周りの状況について

さらに詳しくお聞かせいただけますか

 

 

次回へ続きます

 

パートナーの認知もだんだん歪んでいく

あらすじ

精神障害者を支える人もまた、認知が歪んでいきます。

絶対的な解決策はありません。

何かできることをしていくことしかできません。

 

 

 

精神障害は、支える側の精神もどんどん蝕まれます。

ピンくんの思考も例外なく悪循環を辿っていました。

 

ピンくんは自分のストレスに対して

認識を誤魔化すことで対処する傾向がありました。

 

例えば、精神障害で家庭崩壊した話を聞くとします。

精神障害者である夫に暴力を振るわれた妻

というケースだったとします。

 

ピンくんはそれに対して

うちの場合は妻が精神障害者なので暴力的な問題は起こらない

大したことがないな、などと思ったりして安心していました。

 

また、他にも

精神障害者のパートナーを支えながら

もしくは精神障害者自信が子育てをする話も見たりします。

 

ピンくんはそれに対して

うちは子供がいないので、その分時間的に余裕があると思いました。

そのような人が存在しているのであれば

ピンくんがリコちゃんを支えられないことはおかしい事なのだと考え

娯楽を減らしもっと効率よく生きれば問題は無いのだと、奮起していたりしました。

 

長いことこのような思考の中にいたピンくんは

ある日突然、限界間近にして気づきました。

 

これは、問題のすり替えをしている行為で

根本的な、自分自身が感じる辛さに対しては向き合っていません

 

精神障害者女性なので暴力を振るわれない

というような思考も、ある意味差別的で歪んだ考え方です。

こういった思考は、実は最近とても多くの方が無意識にしていると思います。

言った側が一瞬の安心感のようなものを得た代わりに

将来的に不幸になる差別思考です。

 

ピンくんのこの思いは、まだリコちゃんに伝えられないし

いつか伝えられる時が来るのかもわかりません。

リコちゃんがいつかわかってくれる時があるのなら、伝えたいと思っています。

 

すぐに解決できる問題ではありませんが

ピンくんはもう少しだけ、自分の心にも耳を傾けようとは思いました。

カウンセリングなど、今できることをしようと思いました。

 

双極性障害の理解が浅かった頃の大失敗

あらすじ

双極性障害鬱状態躁状態を繰り返す病気ですが

知識が無いと、鬱状態ばかりに気を取られがちになります。

躁状態というものを甘くみたばかりに起きた事件の話です。

 

 

 

 

元々、リコちゃんはうつ病の診断でした。

 

ピンくんはリコちゃんの

気分の落ち込みに関する面だけを注目していました。

 

ピンくんはうつ病について調べる中で

うつ病に対して「甘えているだけ」と考えている人が一定数いることを知りました。

自分はそうした考えを自分は持たないようにしようと、考えていました。

 

うつ病の理解が得られない先が、例えば職場など

最悪切り捨てられる場所であればまだしも(といっても、それも辛い選択のはずですが)

家族のような身近な存在からも理解されない場合

その苦しさは想像に難くありません。

 

リコちゃんにとってのピンくんが

理解の無い存在にならないようにしようと努力しました。

 

リコちゃんの家族や友達なども

気分の落ち込みに配慮してくれる人が大勢いました。

 

そのため、ピンくんはリコちゃんに対して

極端に病人であるといった扱いをせずに暮らしていられました。

 

無理はさせないけれども

何かに興味を持ったりやりたいことがあれば

それを応援したいというスタンスでいました。

 

ある日、リコちゃんは

それまで不定期で通っていたバイトが定期的に行けるようになりました。

ピンくんは、リコちゃんの鬱が改善されてきたような印象を持ちました。

 

続いてリコちゃんは

今まで迷惑をかけてきた分、これからはもっとピンくんを支えたいと言いました。

そして、日商簿記のテキストを2冊買ってきました。

ピンくんは少し驚きつつも

リコちゃんは元々地元で銀行員をしていた経歴があったので

リコちゃんにとっては具体的な目標なのだと思いました。

 

もっと元気になったリコちゃんは投資を始めました

簿記の勉強をしたことで視野が広くなってきたのだと感じました。

リコちゃんの親戚に投資に詳しいコジマさんという方がいて

コジマさんからレクチャーを受けつつやってみることになりました。

 

コジマさんとはピンくんも話したことがあり

積立NISAなど、比較的堅実な投資を教えてくれたことがありました。

つまり、少額での投資を相談できる相手がいる状態で行うという状況です。

そのため、ピンくんは安心しきっていました。

 

その頃のリコちゃんは

元気が少し収まったり、また復活したりしていました。

鬱が治る兆候が出つつも、まだ波があるのだと考え

ピンくんはまだまだ長い目でみようと思いました。

 

割と長い時間で、投資では3万円の儲けが出ました。

ピンくんは、リコちゃんをさらに信頼しました。

 

変動が大きくない投資にしているという話だったので

それなら元気がないタイミングがあっても続けられると思いました。

 

何より、バイトは出かける必要がありますが、投資なら家でできます

バイト先に急な休みで迷惑をかけることなどもなく、リコちゃん向きだと考えました。

 

 

 

 

そして、ある日突然200万の損失が出ました。

 

 

ピンくんは目の前が真っ暗になりました。

無名の海外の妙な投資先でした。

コジマさんと一緒に始めたらしいですが

コジマさんは早い段階で引き上げていました。

 

金額以上にピンくんを追い詰めたのがリコちゃんの態度

泣きながら話されましたが、言い出すのが辛かったなどのセリフが多く

リコちゃんの感情について大きく説明させられた気がしました。

 

うつ病が良い傾向になるというのは

パートナーから見て喜ばしく、未来を明るく照らす一筋の光です。

そして、元気が出ている時のリコちゃんこそが

本当のリコちゃんの人格だと思いたかったために

ピンくんは事前の確認を怠ってしまったのです。

 

好循環を感じる一瞬の隙を突かれた気がしました。

後悔しても悔やみきれない損失です。

 

その頃にはクリニックを変更したこともあり

リコちゃんの病名は双極性障害の診断に代わっていました。

 

 

 

「自分だってリコちゃんが投資をすることに賛成していたのだから

2人の責任だよ」

損失を報告された瞬間から

ようやく絞り出した答えでした。

 

 

 

このことはリコちゃんの実家へ伝わり

リコちゃんの両親が、毎月補填してくれています。

 

リコちゃんは少し落ち着き

これほどまで極端なことはしなくなりました。

 

簿記のテキストは2度と開かれていません。

ですが、部屋を掃除しているときに捨てることもしません。

 

ピンくんは、報告された瞬間こそ冷静でしたが

この気持ちをずっと消化できずにいます。

 

何かトリガーを弾かれるたびに

投資の失敗を思い出してしまいます。

 

躁状態のリコちゃんが突然、ピンくんの仕事(エンジニア)は簡単だから

私もなろうかなあーと無邪気に言い出した時

 

鬱状態のリコちゃんが突然極端に体調を悪くして

コジマさんがあの時変な投資先を教えてきたせいだと言い出した時

 

朝から掃除や洗濯を終わらせ、いざ自分の時間というときに

リコちゃんの500円引きのクーポンを使う買い物の内容が決まらずに

2時間以上の会話に付き合わされた時

 

その買い物のタイミングではやる気満々に料理すると言っていたはずが

結局買った野菜や肉を腐らせた時

 

 

 

 

次のカウンセリングでは、この気持ちが少しでも消化できるでしょうか

 

ピンくんの耐え忍ぶ日々は続きます。

カウンセリング 1回目 まとめ

今回は、カウンセリング1回目分が書き終わったため

そのまとめとなります。

思ったより長丁場になりましたが、次回も頑張ります。

 

 

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