リコちゃんとピンくんと双極性障害

双極性障害の夫婦のお話

パートナーの認知もだんだん歪んでいく

あらすじ

精神障害者を支える人もまた、認知が歪んでいきます。

絶対的な解決策はありません。

何かできることをしていくことしかできません。

 

 

 

精神障害は、支える側の精神もどんどん蝕まれます。

ピンくんの思考も例外なく悪循環を辿っていました。

 

ピンくんは自分のストレスに対して

認識を誤魔化すことで対処する傾向がありました。

 

例えば、精神障害で家庭崩壊した話を聞くとします。

精神障害者である夫に暴力を振るわれた妻

というケースだったとします。

 

ピンくんはそれに対して

うちの場合は妻が精神障害者なので暴力的な問題は起こらない

大したことがないな、などと思ったりして安心していました。

 

また、他にも

精神障害者のパートナーを支えながら

もしくは精神障害者自信が子育てをする話も見たりします。

 

ピンくんはそれに対して

うちは子供がいないので、その分時間的に余裕があると思いました。

そのような人が存在しているのであれば

ピンくんがリコちゃんを支えられないことはおかしい事なのだと考え

娯楽を減らしもっと効率よく生きれば問題は無いのだと、奮起していたりしました。

 

長いことこのような思考の中にいたピンくんは

ある日突然、限界間近にして気づきました。

 

これは、問題のすり替えをしている行為で

根本的な、自分自身が感じる辛さに対しては向き合っていません

 

精神障害者女性なので暴力を振るわれない

というような思考も、ある意味差別的で歪んだ考え方です。

こういった思考は、実は最近とても多くの方が無意識にしていると思います。

言った側が一瞬の安心感のようなものを得た代わりに

将来的に不幸になる差別思考です。

 

ピンくんのこの思いは、まだリコちゃんに伝えられないし

いつか伝えられる時が来るのかもわかりません。

リコちゃんがいつかわかってくれる時があるのなら、伝えたいと思っています。

 

すぐに解決できる問題ではありませんが

ピンくんはもう少しだけ、自分の心にも耳を傾けようとは思いました。

カウンセリングなど、今できることをしようと思いました。