リコちゃんとピンくんと双極性障害

双極性障害の夫婦のお話

カウンセリング 1回目 その5(完)

あらすじ

前回の続きです

↓前回 

pinkun.hatenablog.com

 

 

リコちゃんの課題を見つけたカウンセラーさん

しかし、課題がわかっても不安で行動できないピンくんに

今後の指針を示していきます。

 

 

 

オノダさん

ピンくんさんが今できることとしましては

伝えていくしかないと思います。少しずつ

 

ピンくん

伝えていくことですか。

 

オノダさん

はい、それもなるべく自分からです。

奥様から何か言われた時ではなくですね。

 

奥様は、現状維持がとても楽なわけです。

しかし、その奥様に危機感を持ってもらうのがピンくんさんの目標です。

 

ピンくん

妻に何か伝えた時

都合が悪くなった妻が体調不良を訴えてきてしまう問題がありました。

そういう時はどうしましょうか。

 

オノダさん

心苦しいことは理解できます。

少しずつでどうでしょうか。

もしいつも通りの体調不良になってしまった時

もう僕も限界で、2人とも倒れてしまうと

このままでは、君に何を言ってしまうかわからないんだと

そのような訴え方で、危機感を引き出せるように伝えてみましょう。

その他「調子が良くなってきたタイミングで2人で話そう」

と、あくまでも引けない状態であること伝えていきましょう。

 

ピンくん

そうですよね。うーん、確かに。

ここまでをまとめていただいて、かなり納得感はあります。

 

オノダさん

そういえば、ピンくんさんの実家についてはお聞きしましたが

奥様の実家の状況はどうなのでしょうか?

最初に結婚祝いをくれた話はありますが、その後としては

 

ピンくん

ちょくちょくお金や食べ物をいただいたりしています。

あとは、妻は足が非常にむくむため

マッサージ機が欲しいという相談をして買ってもらいました。

 

オノダさん

十分サポートしてくれているのですね

 

ピンくん

他には、話し相手になってくれたり

たまにお手伝いにきてくれることもありました。

しかし、最近お母さんが脳梗塞で倒れてしまいまして。

 

オノダさん

そんなことがあったのですか。

今はどうされているのでしょうか

 

ピンくん

お母さんが入院中でして

お父さんと、奥さんの兄がそのサポートで忙しくなりました。

 

オノダさん

今まで奥様に向いていた意識が

今は実家ごとお母様に向いてしまっていると?

 

ピンくん

そうなります。今まで通りのサポートは受けられなさそうです。

加えて、今まで妻は両親と電話することでストレスを解消することがありましたが

今ではお母さんの方も入院中のストレスがありますので

よく言い争いをしているのが聞こえます。

 

オノダさん

奥様が、自分のお母様と言い争いをしている構図なのですね。

 

ピンくん

そして、自分のお母さんはとてもわがままで疲れるなど

僕に対して長々と話し出します。

過去にどういう対応があったかなども含めて

 

オノダさん

奥様の過去については、またの機会で深掘りさせてください。

それにしても、そのように自分を棚に上げてしまうとなると

奥様の認知は非常に歪んでいると思います。

 

ピンくん

よくそのようなことがあります。

妻は突然元気が溢れ、自信を疑うことなく

その状態が本当の自分だと思って行動してしまうところがあります

 

オノダさん

治療の出発点としては、元気に満ち溢れている時ではなく

低めの状態をベースに考えるべきですね。

そして、徐々に自分の力で波を安定させることを目標にするべきです。

難しいですけど、浮き沈みをできるだけ無くし

鬱がひどくなった時でも、少しだけできることなどを見つけたり

まずはそのようなことをしていかないとですね。

 

ピンくん

本当にそう思います

 

オノダさん

奥様は、浮き沈みがあっても誰かが助けてくれると考えているのだと思います。

普通の人だって浮き沈みしますし

そのような心の状態は完全に無くすことはできないものです。

それでも、今のままで変わらずに済むという考えではダメですね。

 

ピンくん

そうですよね

ようやく、僕もこういう場で話ができたなという感じで

。。。本当によかったです。

 

オノダさん

奥様に大変気を遣われながらお話しされていたと思うのですが

ピンくんさんは、考え方がかなりフラットですよ。

課題が満載なのは奥様の方です。

 

ピンくん

そうなるとこのまま

僕だけカウンセリングを受けていていいのでしょうか?

 

オノダさん

奥様の状況を私に教えていただいたり

ピンくんさんが奥様に対してどのような考えを持ったとか

その考えで行動して良いのかなどを相談する場として利用してください。

 

奥様自信がカウンセリングに来ることが望ましいですが

無理やり来させても以前と同じように

「私には必要ない」という意見になってしまうと思うので

 

ピンくん

なるほど、まずは僕だけが通う意味もあるのですね

妻はいつ頃来るといいのでしょうか?

 

オノダさん

段階というものがありまして

奥様自身がもう少し自主的に行こうと思わないと難しいです。

まずは、少しでもピンくんさんの心を整え

少しだけでも元気になりましょう。

そして、ちょっとずつ効果を出していき

奥様に、ピンくんさんが何か変化して行く様子を見せましょう。

そのうちにカウンセリングがどういうものか気になって来るはずです。

 

ピンくん

なるほど、その流れは良さそうですね。

今日帰ると妻に何か聞かれると思うのですが

その際にはどうしたらいいでしょうか

 

オノダさん

自分の気持ちを整理してきたとか

カウンセリングの内容を他で話すと、効果がないらしいとか

適当に流してしまって大丈夫ですよ。

 

ピンくん

参考になります。

 

オノダさん

では、本日は以上となります。

無理せずに、少しずつ頑張っていきましょう。

 

ピンくん

大変参考になりました。

ありがとうございます。

 

カウンセリング1回目 完

 

カウンセリング 1回目 その4

あらすじ

前回の続きです

↓前回 

pinkun.hatenablog.com

 

奥さんの印象を伝えきったため

カウンセラーさんからの怒涛の分析結果のターンです。

 

 

 

ピンくん

妻の監修したメッセージを母親に送っている件について

もう少し補足します。

僕がそのようなことに逆らえなくなったのは

それぞれの実家のパワーバランスが関係しています。

もともと、僕らが結婚した時

妻のご両親からは、お祝いのお金をたくさん頂いていたのですが

僕の実家からは雀の涙ほどしか出さなかったのです。

 

オノダさん

そのようなことがあったとしても

いくら何でも奥様が操作的に見えますね。

 

ピンくん

お金の件もほんの一部で

祖父がひどい事を言ったりしたこともあります。

そういった細かい何かが、積み重なってきてしまったというか

 

オノダさん

奥様の言い分に納得してやるのであれば良いのですけれどね。

ピンくんさんの実家に対してそれほどまでの主張があるのであれば

やはり奥様が自分で行動しないといけない部分だと思います。

 

ピンくん

そうとも思うのですが

どうしても、自分の妻と実家やが対立したとき

夫は妻側に立たなければいけない、というイメージがあります。

 

オノダさん

ピンくんさんはそういった一般イメージを取り入れる中で

程度を見失っている気がします。

 

ピンくん

そうですね。。。

最初に監修付きのメッセージを送った時は納得の上だったのですが

こうして他人に話してみると

やはり辛い中やってしまったと思わざるを得ないです。

 

オノダさん

そういうことがあるとどうしても

奥様は病気の面もうまく免罪符にしてしまっていると思います。

ピンくんさんが気の利いた対応をできなかったことに対しても

その負い目をうまく突いてきているような感じです。

奥様は、常に問題を「何かのせいで」と考えてしまっているので

幸せから遠ざかっていく一方になってしまっています。

 

ピンくんさんのご実家の対応は、良いものでは無かったかもしれません。

何か嫌な言葉や対応があったことも事実なのでしょう。

でも、それが全ての悪循環の発端などではないので。

 

ピンくん

今は、僕の視点で話しているので

そう言った説明が多くなっているところもあると思います。

 

オノダさん

本日お伺いした内容からお話ししていましたが

私の方でカルテから読み取れた内容も付け加えますね。

奥様には、病気について治そうという意思が感じられず

病気がいかに深刻であるかを周りが理解するべき

という考え方が強くあるように感じられたんですね。

 

ピンくん

まあ、そうですよね。

正直そうなのではないかと思っていました。

 

オノダさん

ちょっと確認しますね。

診察されたクリニックは4軒目だとお伺いしましたね。

当院にかかる前に受診していたクリニックのことをお伺いします。

そちらでは障害者手帳及び障害年金の審査が通らず

当院で治療を受ける中で取得を目指したとありますね。

お間違いないでしょうか?

 

ピンくん

はい、間違い無いです。

以前のクリニックでは、どんどん症状が悪化するのに関わらず

障害者手帳障害年金に「甘えるな」と言い

診断書を書いてくれませんでした。

「あんたはまだそんな状態じゃない」と言われました。

それに妻が落ち込んでしまい、あの病院にはもうかかりたくない

と言うため、別の病院を探し始めました。

こちらを見つけて受診する際には

診察を続けたのち、将来的に診断書をお願いしたいことを初めに伝えていました。

 

オノダさん

それがいいか悪いかは置いて置きますが

そんな状態じゃない、と言われた際に

落ち込んだり、怒ったりするのではなく

自分はそんなに悪い状態じゃないんだと安心するという方もいます。

 

ピンくん

生活の不安定さもありましたし

不安を取り除き、少しでも安心したいという気持ちから

僕からも取得することを賛成しました。

 

オノダさん

一旦安心できたのは良いことだと思います。

しかし、やはり病気が奥様のアイデンティティとなってしまっていて

辛さをわかって欲しい、守って欲しい。

という感情が主役になっていそうです。

変な話ですが、こうなってきますと

「病気を手放せない状態」にあると思います。

 

ピンくん

手放せない、ですか。

 

オノダさん

はい、そうですね、、例えば

調子の悪い状態について深掘りしてきましたが

調子のいい状態というのはありますか?

 

ピンくん

はい、常に調子が悪いというわけではなく

どうにか起き上がれて家事ができたとか

1人で買い物に出かけられた、ということもあります。

 

オノダさん

調子がいい時もあるのですよね。

今の所、投薬のみの治療となっており、もちろん大事なのですが

例えば、その調子の良いタイミングについて

どうして調子がいいのかを分析するなど

自分で何か行うようなことはまだしていないですよね。

 

ピンくん

はい、していないと思います。

 

オノダさん

奥様には、ある程度主体的にそういうことを考えて欲しいですね。

奥様が自分の意思で病気を手放そうと考えられるようになれば

ピンくんさんは、かなり楽になると思います。

 

ピンくん

はい、、楽になりたいです。

 

オノダさん

注意点ですが、これを伝えると絶対怒りますよ。

図星なので。

 

ピンくん

はい、怖くて言えないですね。

 

オノダさん

疾病利得という言葉があります。

そのまま、病気であることで得をするという意味なのですが。

奥様は病気によってピンくんさんを繋ぎ止めている側面があると思います。

「こんな病気の私を見捨てるの?」と

 

でも、ピンくんさんはお母さんではありません。

本当は対等であるはずのパートナーを支え

今でもずっと無理をしている。そして、どこかで背負いきれなくなり

見捨てるしか無くなるか、最悪、壊れてしまう。

 

そういう未来があることを、奥様は気づいていません。

 

と、心理士としてここまで言っちゃうと怒られてしまうかもしれませんが

 

ピンくん

うぅ、、

どうしたらいいでしょうか

 

 

↓次回へ続きます

pinkun.hatenablog.com

カウンセリング 1回目 その3

あらすじ

前回の続きです。

↓前回 

pinkun.hatenablog.com

 

 

初めてのカウンセリングで

引き続き奥さんのイメージをカウンセラーさんに伝えていきます。

 

 

 

ピンくん

妻の印象ばかりを話しましたが、僕が悪いところもあるとは思っています。

仕事がとても遅く、残業ばかりしてしまうのです。

 

オノダさん

お仕事が忙しいのは、悪いことではないと思います。

 

ピンくん

元々遅いのに加えて、最近では悩みが絶えないので

集中力が欠けてミスを繰り返しがちです。

残業をしなければ間に合わない状態になってしまっています。

 

オノダさん

それは、先ほどまで話していた家庭での問題が関係していますよね。

お仕事中も考えてしまうということですかね?

 

ピンくん

そうなりますね

 

オノダさん

ご家庭でのことがなければ、お仕事は順調にこなせていましたか?

 

ピンくん

そのはずですが、自信を持ってそうとは言えないところです。

もともと、何か気になったことがあるとついつい残業をしてしまうタイプではありました。

 

オノダさん

頑張りすぎてしまうタイプなのですね

 

ピンくん

帰りが遅い生活を続けていると

平日は仕事で私を寂しくさせているのだから、土日は構ってほしい。

体調を心配してほしい、という雰囲気を出されてしまいます。

そのため、常に一緒にいますね。

妻の体調が日中に悪くなってしまった場合

寝ている間に、自分の趣味のゲームやアニメを楽しんだりします。

 

オノダさん

ご自分の時間が、少ないのですね

 

ピンくん

自分ではそう感じていますね。

夫婦で主張し合えばキリのない問題だと思いますが

 

オノダさん

それでも、我慢している状態をご自身では感じているのですよね。

また、病気だと主張されると対応を断れないこともあると思います。

大変お疲れになっているのかと

 

妻と夫の関係ですから

奥様の面倒を、親のように見続けるのは難しいと思います。

できるところは自分でやって欲しいと思いますよね。

 

ピンくん

そうですね。できれば

 

オノダさん

奥様は、お仕事はされてらっしゃらないのですよね?

 

ピンくん

はい、今はしていないですね

 

オノダさん

1人でお仕事をされている状況なのですね。

お仕事をしなければ、食べていけなくなってしまいますから。。。

どうにか、自分の時間は自分のことに集中できるようにして欲しいですよね。

 

ピンくん

そうですね。そう思います。

 

オノダさん

私の方でもう1つ気になったのが

カルテには、妊娠を希望と書かれていますが

 

ピンくん

今は体調面から自主的にやめていますが

もともとは先生にそのような相談をしていました。

お薬の面で、妊活に影響のないものを出してもらったりなどしています。

 

もう少し元気だった時に、一度流産を経験していたりなどします。

これは、僕も辛かったことですが

実感があるため、妻の方が辛かったと思います。

 

オノダさん

そうでしたか。お辛いですね

 

ピンくん

流産の際、僕がすぐに気の利いた事を言えなかったことがあり

それが今でも妻の心に引っかかっているようです。

 

オノダさん

奥様の記憶に刻まれてしまったのですね。

 

ピンくん

流産に関する話でお伝えしておきたいこととしまして

親に流産をLINEで報告したのですが

心配するメッセージがほとんどの中、一部に妻に失礼な内容がありました。

「少し痩せたほうがいいかも」というニュアンスが含まれていました。

本人には伝えるつもりはなかったのですが

僕のスマホを妻に覗き見られた時、ちょうどそれが目に入ってしまって

ショックを重ねてしまいました。

 

オノダさん

それは災難でしたね。

 

ピンくん

また、僕の方もだめな部分があって。

男性がやりがちなことかと思いますが、すぐさま共感した言葉を伝えられませんでした。

母親はそこまで考えて発言していないとか

考えが古い人が言っただけなので、気にしなくていいとか、、、

考え方を変えるような提案ばかりをしてしまいました。

 

オノダさん

うまく伝えられなかったのですね。

奥様としては辛さが増大してしまったと思います。

他にも、奥様のことがわかるエピソードはございますか?

 

ピンくん

他には、うちの弟が最近結婚した話がありますね

 

オノダさん

そちらもお聞かせください。

 

ピンくん

僕の家族構成からいうと

男3兄弟で、僕が長男、結婚したのが三男です。

三男の奥さんがかなり年下で、末っ子同士の結婚となりました。

 

オノダさん

末っ子ですと、結構離れてらっしゃいますよね

 

ピンくん

このような時、自分が兄弟のどこに属しているかなど

僕はあまり考えないんですね。

でも、妻はそれをすごく気にします。

末っ子同士の結婚であれば、親にすごく甘えるのが上手なのだから

うちも甘え負けないようにしないとだめだ、とか。

 

オノダさん

面白い奥さんですね。

 

ピンくん

最近弟から結婚式の招待状が来たのですが

それを見た妻に、気に食わなかったところがあったようです。

「うちはなかなかうまくいかなくて辛いから弟の結婚式が嫌だ」

と、そういうLINEを送りなさいと言われまして

妻の監修込みで、送りましたね。

え、親に甘えるってそういうこと?みたいな

 

オノダさん

えぇ、そんなの嫌ですね。

 

 

次回へ続きます。 

pinkun.hatenablog.com

 

カウンセリング 1回目 その2

あらすじ

前回の続きです。

↓前回 

pinkun.hatenablog.com

 

 

初めてカウンセリングを受けたピンくん

次はカウンセラーさんとリコちゃんについてのお話をします。

 

 

 

 

 

オノダさん

確認なのですが、奥様は3回だけカウンセリングに通われていたことがあるとか?

院長からそのような概要だけ共有されているのですが

詳細までは聞いていないので、教えていただけますか

 

ピンくん

はい、別のクリニックでのことなのですが

そこで3回ほど、各コマ約30分のカウンセリングを受けたことがあるようです。

 

オノダさん

当クリニックではなく、別の医療機関へも通院されているのでしょうか?

 

ピンくん

いえ、結婚前の話になるのですが

このクリニックに来る前に妻が通院していた心療内科でのことです。

 

オノダさん

結婚前の話だったのですね!

 

ピンくん

はい、その頃の話は僕も聞いた限りの説明になります。

 

このクリニックに来る前まで

都内で3軒ほどの心療内科・精神科を渡り歩いてきています。

相性の問題や引っ越しなどで通院できなくなり、今は4軒目ですね。

2軒目までが結婚前の話になりますが、その頃に通ったことがあるようでした。

 

オノダさん

そのころはどういったご様子だったのでしょうか?

 

ピンくん

今よりはまだ元気で、アルバイトなどをしつつ通院していたようです。

当時住んでいた地域で通っており、その際はうつ病の診断でした。

先生にカウンセリングを勧められ、受けていたようですが

金額面や実感が無いことを理由にすぐ辞めてしまったようです。

 

オノダさん

その頃のカウンセリングでは、効果に期待がもてなかったのですね。

 

ピンくん

そうですね。。。

妻は自信過剰なところがあるので、自分には必要ないと感じているようです。

理由としては、カウンセリング療法などは思考の整理であるため

頭が良ければ本などを読んで自力でできると思っているようです。

 

オノダさん

なるほど、奥様はそのような認識なのですね。

少々不思議に思ってたことがありまして

奥様がカウンセリングを拒否するならまだしも

ピンくんさんへは勧めたという点が不思議でした。

 

ピンくん

妻は、僕には効果があると考えたようです。

僕自身も受けたい気持ちはありましたが

 

オノダさん

奥様は、自分は頭が良いのでカウンセリングは必要ないけれども

ピンくんさんには有効であると考えたのですね。

それは間接的に、旦那様は自分より頭が良くないと考えている

ということになるような。。。

 

ピンくん

そういうところはありますね。

 

オノダさん

奥様の体調が悪すぎるために、一旦旦那様だけ受けにきたのかと思っていました。

そんなカラクリがあったとは。。。

 

ピンくん

加えて、このカウンセリングを受ける前

「あなたは自己肯定感が低いのに加えてプライドが高い」

という評価を妻から受けました。

 

そのような情報はカウンセリングの役に立つので

覚えていって欲しいと

 

オノダさん

「自己肯定感が低くてプライドが高い」ですか!

 

ピンくん

仕事が丁寧すぎるし、頼まれたことを断れないし

完璧を求めすぎるように生きてるから、辛いんだよと

 

オノダさん

そのようなことを言われたのですね。

そういった一面を、家族ゆえに感じているということは

奥様としてもあるとは思います。

しかし、カルテを見た限りでは

大部分は奥様のことで辛いのだと想像していました。

 

ピンくん

正直そうですね。

しかし、そういったことを言い返せないんです。

さらなる体調の悪化につながると感じていますので

 

オノダさん

奥様は、ピンくんさんの心労に

自分はほとんど関与してない、と思っているのですかね

 

ピンくん

「体調が悪くなってごめん」

「いつも頑張ってくれてありがとう」

ということもあるのですけどね。

 

オノダさん

でも先ほどのようなことを伝えられると

まずは反応として「えっ」と思ってしまいますよね。

 

ピンくん

評価内容自体は、自分にも思い当たるところがあるので

分かるところはあるのですが。うーん。

 

オノダさん

人間ですし、ある1面としてそう見えることはあると思います。

しかし、奥様はちょっと自分が見えていないというか

 

ピンくん

僕が良く弱音を吐いてしまうことで、言われていることだとは思います。

「今、僕はとても疲れているんだ。君のマッサージはできないよ」

とかですね。

 

オノダさん

夫婦ですから、弱音を吐いてはいけないということはないと思います。

悪いことではないですよ。

 

ピンくん

仕事面の弱みも良く見せています。

自分は頑張っているつもりだがうまくいかない。

客観的に見て自分はまだまだだから

もっと頑張らなくてはいけない、勉強しなくてはいけない

遊んでいる暇はない。自分の代わりはいくらでもいるとか

 

オノダさん

謙遜した言葉を使いがちということですね。

どうしても出てきてしまうのだと思いますが

それはしなくても良いと思います。

 

ピンくん

自分が上手く対応できていないことが多いので

 

オノダさん

お会いしたことがないので、失礼ながらお聞きしますが

奥様は、やっぱりちょっと我が強いのかな?と思いました。

 

ピンくん

うーん。そうですね。

 

オノダさん

奥様は、自分を曲げないところがあるようにお見受けします。

自分が考えたことをどんどん、夫婦の問題と考えているようですね。

そのような考えで突き進んでしまう方なのかな?という印象を受けました。

 

ピンくん

その印象を持っていただいて大丈夫かなと。

 

オノダさん

ここまででの判断になりますが

ピンくんさんはかなり追い詰められていますので

やはりもう少し奥様からの歩み寄りが必要なのかなと思います。

変わるべきは、奥様なのではないかなと

 

ピンくん

そう、、ですよね。

 

オノダさん

あ、でも先にそれをそのまま伝えると奥様は絶対怒ります

なので、お伝えするのはまだ早い段階ですね。

 

ピンくん

そうですね。言わないでおきますね。

 

オノダさん

奥様は、様々なことを旦那さんに言い

それでストレスを解消できているのかと思います。

でも会話の余地がないピンくんさんは。。。

さて、どこにそのストレスが向かうのかと

 

ピンくん

溜めていく一方ですね

 

オノダさん

そこから、離婚という言葉を

お母様などに言わないと、やっていられなかった状態だったのではないでしょうか

 

ピンくん

僕はそういう状態なんですね。。。

もう少し妻のことを話してもいいでしょうか

 

 

次回へ続きます。 

pinkun.hatenablog.com

 

カウンセリング 1回目 その1

あらすじ

カウンセリング1回目は、予定通りピンくん1人で行きました。

対応してくれたカウンセラーの方は女性の方でした。

 

 

 

 

 

カウンセラー

オノダと申します。

本日は初めてなので、どこからかお話したいことなどありましたら

教えていただけますでしょうか?

 

ピンくん

かなり疲れ切ってしまって、妻とどう接していいか分からなくなってしまいました。

 

オノダさん

なるほど、お辛いですね。

まず、事前にいただいた情報を確認させてください。

お仕事は、スマートフォンのゲーム制作をされているとのことですが

 

ピンくん

はい、その通りです。

 

オノダさん

ちなみに、お家でお仕事をされているのでしょうか?

 

ピンくん

週2日だけ、テレワークで勤務しています。

火曜日と木曜に家で仕事をして、あとは出社しています。

 

オノダさん

そのような体制でお仕事をされているのですね。

でも、いくら家にいるタイミングがあるといっても、お仕事をされているわけですから

日々の奥様とのやりとりやフォローの面で疲れてしまうも無理はないなと、、、

 

ピンくん

はい、、

病気の面でも、寛解に近づいている様子がなく

ゴールの見えない辛さがいつまで続くのかと

 

オノダさん

そうですよね、、、

こちらに通われる際も、奥様と付き添いで来られているんですよね

 

ピンくん

はい、自分では色々と頑張っているつもりではあるんですけれども

それでも怒られることなどが日常茶飯事で

 

オノダさん

良く怒られてしまうのですね

 

ピンくん

昨日、それがついに限界となり、衝動的に妻のお父さんと自分の母に

「離婚する」と言ってしまいました。

すぐに、衝動的な行動だっただけだと否定しましたが

自分の母などにこれまで、妻の悪い面を言ってこなかったので

そういったところでも、一線を超えてしまったなという感覚があり、辛いです。

 

オノダさん

「離婚する」と口に出してしまったのですね。

そちらは、奥様には話されましたでしょうか?

 

ピンくん

妻には話していません。

 

オノダさん

それは、良かった、、というのも変ですが

ひとまずは抑えられたというところですね

 

ピンくん

普段から

「これを言ってもわかってくれない」

「調子が比較的良いのに、鬱状態になってしまう」

「病気の今後に影響がある」

と考えてしまって、自分の意見を妻に伝えないことは良くあります。

実際に伝えてしまって、体調が悪くなったことは良くありますので。

 

オノダさん

我慢してしまうのですね。

 

ピンくん

話が少し変わってしまうのですが

元々、自分から人に対して怒ることはあまり無いという自覚がある

という話をしてもいいでしょうか

 

オノダさん

自分からは、あまり奥さんに対して

あまり意見を言わないということでしょうか?

 

ピンくん

はい、自分から意見を言うことがあまり無い、、、と思います。

しかし、どうしても怒られた時にはやり返したくなってしまうところがあります。

普段、ケンカをしたくないために

これくらいのことは言わなくていいだろうと抑えているものが多くある反面

相手に何かを言われた時に、指摘し返してしまう

というケースがよくあります。

妻に対してではなく、会社の上司などへも似たような対応を取りがちです

 

オノダさん

溜め込むタイプなのですね

 

ピンくん

溜め込むので、基本的には妻が僕に指摘を始めて

僕が言い返す構図になりがちなことが多くありました。

結果お互い違う論点の話をぶつけ合っているだけになりますね。

「あなたが怖いから体調が悪くなった」

「その言い方や表情と話すのは辛い」

など、感情的な面を指摘されてしまい、うまく話せなくなってしまいます。

それが嫌で妻に対しては溜め込むしかなくなり

結果今回の有様というわけです。

 

オノダさん

溜まっていく一方ですね。。。

とてもお辛いと思います。

 

お聞きしたことに対してのイメージですが

例えば奥様が「電気をつけっぱなしにしないで欲しい」と言ったとします。

ピンくんさんはまずそれを飲み込みますよね。

しかし、奥様がある日、自分も電気をつけっぱなしにすることがあり

それに対してピンくんさんは「以前君が自分で言ったことなのに、電気つけっぱなしじゃないか」

と言ったとします。

すると、「私は体調が悪いから出来ないのに、わかってくれないなんて酷い」

などと返答されてしまう。

そのようなことであっていそうでしょうか?

 

ピンくん

はい、概ねそのようなイメージを持っていただいて問題ありません。

なので、今は何も言えなくなってしまったという感覚です。

 

オノダさん

なるほど、ここまで教えていただいて、ありがとうございます。

私から、ご質問させていただいてよろしいでしょうか?

 

 

 

次回へ続きます 

pinkun.hatenablog.com

 

 

双極性障害と診断される前 〜結婚まで

あらすじ

ピンくんとリコちゃんが結婚するまでのお話

 

 

 

リコちゃんと初めて出会った時

オットリした子だな、とピンくんは感じました。

マッチングアプリでの出会いでしたが

何か雰囲気が気になり、その日のうちにピンくんから告白して付き合ってもらいました。

 

付き合い始めてからしばらくは

映画を見てからお酒を軽く飲んで帰ったり

お互いのお家でご飯を作って食べたり

おすすめのドラマやアニメなどを勧めあったりと

インドアなデートをしていたのですが

 

リコちゃんが運転ができないピンくんを連れて温泉旅行へ行ったり

急に変わった場所で食事したいと思いたち、ディナークルーズへ行ったり

2人で一日中都内を散歩して、美味しいパン屋さんを見つけたり

元気の良いデートをするようになりました。

 

オットリした雰囲気のリコちゃんの中にある快活な性格が

ピンくんにはとても心地良く、どんどん好きになっていきました。

 

記憶力もよく、忘れ物の多いピンくんを助けてくれたり

頭もよく社交的で、初対面の場などでもじもじしているピンくんを輪に入れてくれたり

リコちゃんはいつもピンくんのことを考えていてくれて

ピンくんはそれに嬉しさを感じていました。

 

リコちゃんは早い段階で、うつ病と診断されていることを教えてくれていました。

 

当事は派遣でお仕事が出来ていましたし

たまに体調が悪く仕事を休むことがありましたが

休めば、すぐに元気なリコちゃんに戻るので

ピンくんが感じる問題といえばそれくらいでした。

 

ピンくんは、リコちゃんには少しまとまった休みが必要なのではないかと思いました。

ピンくんの扶養に入ってもらい、不安感を少しでも減らして。

いつも元気なリコちゃんになってほしいと思いました。

 

結婚したいと伝える言葉があっさり過ぎたり

焦り過ぎて、扶養の方が安心な理由など、経済的な面の説明を出し過ぎてしまったり

あまりにも下手なプロポーズは、今日までずっとリコちゃんから

「プロポーズだけは理想じゃなかったな」

などといじられます。

 

それでも、そんな拙いプロポーズから

ピンくんがリコちゃんを支えたい気持ちは汲み取ってもらえたので

結婚することになりました。

 

 

 

カウンセリングの予約

あらすじ

リコちゃんが定期通院している心療内科へ、2人で行ってきました。

そこで、カウンセリングを受けることになる。と言うお話です

 

 

 

 

ピンくんはこの日決めていたことがあり

先生とのお話の際に、カウンセリングの話題を出す。と言うことでした。

ピンくんはリコちゃんのサポートに限界を感じていたので

何か今以上の治療をしないといけないような気がしていました。

 

リコちゃんは、ここまで投薬のみの治療を行っていました。

 

正確には、ピンくんと結婚する前に通っていた心療内科ではカウンセリングを受けたことがあるのですが

その際に金銭面、実感面から必要ないと判断して

3回ほど受けたところで辞めてしまっていました。

 

躁状態の時のリコちゃんはかなり自信過剰となります。

心療内科へ通える日は躁状態の範囲にあるので

その際の思考だと、カウンセリングは必要ないと考えてしまうようです。

 

しかし

ここまでリコちゃんは症状が悪化し続けていて

ピンくんはピンくんで自分の至らなさを感じていました。

ピンくんからの無意識の心無い発言から、リコちゃんが鬱状態となり寝込んでしまうようなことも稀にありました。

そもそも双極性障害に対しての意識が足りていないような、そんな気もしていました。

しかしピンくんにも体力的、時間的、精神的な限界があります、、、

 

グチャグチャ色々と考えつつも

結局のところ、ピンくんは責任転嫁をしたかったのです。

 

ピンくんの対応が不十分なのではなく、治療が足りていなかったからだと思いたかったのです。

先生に話したら楽になるのではないかと、カウンセリングの話題を出しました。

 

カウンセリングは自由診療となり、1回45分6000円で行っているとのことでした。

自立支援医療制度を受けていて、普段一割負担で治療を行っている僕らには

なかなかの金額ステップアップです。

自立支援医療(精神通院医療)ってどんな制度?自己負担額や具体的な申請方法、更新についてまとめて解説します | LITALICO仕事ナビ

 

金額を聞いたところで

リコちゃんは、私には必要ない、と言いました。

 

この返答を、ピンくんは多少なりとも予想してました

リコちゃんは自己評価が高く、特に躁状態で顕著になります。

優秀な私には必要ない、という考えになっているように見えました。

 

確かに認知行動療法などを聞きかじると

治療内容は決してものすごい奇跡を起こすようなものではないと言う印象なのは

ピンくんにもわかるところがあります。

 

しかし、夫婦で何かを話し問題解決する事への限界を感じていた気持ちが

カウンセリングを受けることを後押ししました。

自由診療を行うというよりかは

夫婦が何か会話を行うときに、ある程度真剣に反応してくれる三者視点をつける

という意味でも役に立つはずだと思い、カウンセリングをお願いしました。

 

夫婦でケンカになった時に

「じゃあ他の人に聞いてみてよ!?」

となることは、色々な夫婦が、お互いに思うことは多いのではないかと

ピンくんは常々思っています。

 

ただし、リコちゃんはカウンセリングに対してまだ懐疑的だったので

ピンくんだけがカウンセリングを受けることになりました。

 

病気の当事者であるリコちゃん自身が受けないことに多少もやつきつつも

ピンくんは話をできる場ができたことが嬉しいと感じました。

病気の知識を持ちながら、自分たち夫婦に目を向けてくれる人との話しの場に

少し期待していました。

 

ピンくんは、困ったことを話せる人というのが、ここまでいませんでした。

 

偏見もあるかもしれませんが

男性はどうも自己解決思考に陥りがちで

他人に話さない文化が強いと日頃から感じていました。

正しき男性像という呪縛もありますし

幼少期の経験や社会人になってから、他人に話して実際に何か解決したことがないから

どんどん自己解決の方が楽で正しいという思考になっているような

 

自分の中に解決力を持ち、確かな答えだと信じ、ブレない

というのは、どんどん自分を成長させたりなどのメリットも大きい思考かと思いますが

しかしこれに陥ることで相手を受け入れられなくなり

特に夫婦関係で大きなデメリットとなってしまう様子が

様々なメディアで取り上げられているように感じていました。

 

そういう自分を払拭したいという考えも、ピンくんの中にありました。

 

ピンくんはカウンセリングの予約をして、この日は帰宅しました。

 

 

帰り道、リコちゃんに

「あなたは自己評価が低いのに加えてプライドが高いところがあるから

カウンセラーさんに言うといい」

となんだか以前みたドラマで聞いたことがあるような批評を受けました。

 

えぇ、、、自分は受けないのに、、凄いなと

ピンくんは思いました。